保内三王山古墳群

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保内三王山古墳群(空中写真)

保内三王山古墳群(空中写真)

11号墳主体部発掘作業のようす

11号墳主体部発掘作業のようす

1 名称    保内三王山古墳群

2 所在地      三条市上保内

3 主な時代     古墳時代

4 発掘時期     昭和60・61年

5 概要

    保内三王山古墳群は、昭和58年に発見された古墳群で、昭和60年に第1次調査として1号墳(前方後円墳)、4号墳(前方後方墳)、5号墳(円墳)が発掘調査され、昭和61年に第2次調査として11号墳(造出付円墳)、12号墳(方墳)が発掘調査されています。

    保内三王山古墳群は、1,600年前の古墳時代前期に造られた前方後円墳(1号墳)、前方後方墳(4号墳)、造出付円墳(11号墳)と、1,500年前の古墳時代後期に造られた円墳9基(2・5〜9・13・15・17号墳)、方墳5基(3・10・12・14・16号墳)の計17基の古墳からなる古墳群です。

    蒲原平野の信濃川右岸地域を支配した三条の豪族は、大和王権によって認められ、 代々上保内の丘陵の尾根筋に、前方後方墳、造出付円墳の順に古墳を大型化しながら、 形をより大和王権との結びつきが強いものへと昇格させ、最終的に古墳群中最大の全長38mの前方後円墳を築くまでになりました。

    この古墳時代前期の古墳は、東北南部を到達点に、北方支配を推進した大和王権の中継拠点として三条の地が特に重視され、この地を治めた豪族が勢力を拡大したことを物語っています。また、蒲原平野に所在する後期古墳は唯一のものです。古墳時代の新潟県の歴史を考える上で重要な古墳群です。出土品161点は三条市指定文化財に指定されています。

    1号墳は、本古墳群中唯一の前方後円墳で、丘陵尾根地形を最大限に利用しながら、地形整形と盛土によって構築されています。全長は37.5mで、平野に面する墳丘西側には平坦    面や焼土壙などが設けられ、墳丘東側に比較して複雑な様相を示しています。主体部は発掘せず、保存されています。墳頂部から墓壙を中心に、直口壺や甕などの土師器が出土しています。

    4号墳は、後方部に比べ前方部が極端に小さい小形の前方後方墳です。全長は16.1mで、後方部墳頂平坦面に隅丸方形の中心主体の墓壙の跡と思われる掘り込みが認められていますが、内部は未調査です。遺物は出土していませんが、東日本の古墳出現期に特徴的な前方後方墳であり、1号墳より高所に位置することから、古墳前期の築造で1号墳に先行すると考えられます。

    11号墳は、北東墳裾に方形突出部が付設された主軸長23.0mの造出付円墳です。古墳群中最高所の標高101mにあります。埋葬施設は、木棺直葬であり、円丘部中央に位置しています。東西4.8m、南北3.8mの墓壙の中に、長さ2.93m〜3.32m、幅0.75m組合式木棺が納められていました。副葬品はすべて棺内副葬品で、青銅製の四獣鏡1、鉄剣1、短冊形鉄斧1、細形管玉62、太形管玉2、ガラス製丸玉34が出土しました。また墳頂部からは、土師器の二重口縁の壺や小形壺や小形器台が出土しています。

    5号墳は、11号墳の立地する丘陵頂部から西側に下る尾根がふたまたに分かれる分岐点に位置する円墳です。直径約14mで、内部主体は未調査ですが、陥没壙を中心に多数の供献土器として、須恵器甕(底部穿孔)・直口壺、土師器杯・甕が出土しました。出土状況からこれらのうち少なくとも一部は意図的な破砕が行われたと考えられます。

    12号墳は、隅丸方形の方墳です。墓壙は不整方形で中心主体に箱形木棺を埋設したものと推定できました。棺内副葬品はありませんでしたが、木棺の痕跡の上縁部に沿って造り出された2段の棚状平坦面に、棺外副葬品として鉄鏃2、長脚一段三方透しの無蓋高杯1点で検出されました。墳頂平坦面からは供献土器は検出されませんでしたが、鉄鏃1、耳環1が出土しました。副葬された須恵器の高杯から6世紀前半の築造で、5号墳よりは後出と考えられます。

    発掘調査で出土した遺物は新潟県指定有形文化財、三条市指定有形文化財に指定されています。

 

6 展示公開      

で主な出土品を展示しています。

 

5号墳発掘作業のようす

5号墳発掘作業のようす

12号墳須恵器出土状況

12号墳須恵器出土状況

 

・詳細地図

三条地域の主な遺跡地図
この記事に関するお問合せ
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更新日:2020年09月03日