第18回 相談実録[1] アルバイト10年のAさんが正社員になるまで

私は、就労支援を始めて、10年以上になります。これまで相談してきた経験の中から、思い出深い相談実録をご紹介します。

数年前に相談したAさん(男性)の話です。
その当時Aさんは29歳で、初めてお会いした時、元気がなくうつむき加減で、とても不安そうな感じでした。
「もうすぐ30歳になるのに、アルバイト経験しかありません。このまま、ずっとこの状態を続けたくありません。ちゃんと正社員になって安定したいんですが、どうしたらよいでしょうか?」
と気まずそうに話してくれたことを覚えています。

これまでの経緯をじっくり確認したところ、

  • サービス業で10年間アルバイトとして、接客の仕事をしていた
  • 正社員への登用の話もあったが、社風や社員の様子を見て、やりがいが持てず断った
  • 辞めようと思ったが、新人の教育やシフト作成・調整など責任の重い内容があり、思いとどまってしまった

これらの内容や話している表情から、このままで良いのかと常に考えながらアルバイトしていたこと、次に何をしていけばいいのかわからないという悩みが大きいと感じました。

次に確認したことは、これからの方向性を探る材料です。

  • どのような心掛けや工夫で働いていたか
  • 好きなことや熱中することはあるか
  • 働き方やこれからの生き方でゆずれないものは何か

これはAさんの「能力」「興味」「価値観」を知り、今後どのような職種が向いていそうか一緒に考えていくため必要な内容です。

回答から、

  • 接客は好きではないけれど、仕事の教え方や説明がとてもわかりやすいとよく言われていた
  • コツコツと作業することが好きで、数字を扱うことや機械の操作が得意
  • 興味があると掘り下げて考える
  • 正社員で安定して働きたい

等々の話を聞き、製造職関連の職業訓練受講をいくつか提案しました。

その中から、以前から興味があった製造CADオペレータの訓練を希望したいと相談がありました。この仕事は、製造工程の中で設計者と製造者の間で説明・提案する内容があること、機械操作の知識やスキル習得が必要なことを伝えました。

今後の方向性として、Aさんには説明力や探求心があり、状況判断や分析しながらコミュニケーションができること、機械操作を学ぶことに意欲的で、十分最後まで取り組めそうなことから訓練受講に賛成しました。
そして、雇用形態に関わらず10年間継続してきたことに自信を持つよう話しました。

その後、訓練受講期間が終わり、念願だった正社員として、製造会社に就職することが決まったとあいさつに来てくれました。そこには初めて会った時の、あの気まずそうにうつむいていた姿はありませんでした。
正社員のプレッシャーに緊張していましたが、とても嬉しそうで、「おめでとうございます」と握手を交わしたことを覚えています。

あれから、数年経っていますがAさんどうしてるかな~と時々思い出します。

ワークサポート三条では、一人一人の状況や希望を聴きながら、お仕事探しに関する相談をいたします。ぜひご利用ください。

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更新日:2026年05月01日