多様性と人権教育について(令和7年6月26日回答)
御意見
私たちの社会は個人の自由や多様性が尊重される社会です。ですが、次の3つの“共通の土台”は必要だと思います。
●まず、『1.ルールを守ること!』です。
当たり前ですが、規範意識は大切です。高校生にもなると校則を守らない生徒が増えてきますが、ルールは私たちの権利を守るために存在し、破れば誰かに“迷惑”をかけます。
近年ではブラック校則の見直しが進んでいます。納得いかないから守らないのではなく、「他者を納得させた上でルールを改める」のがあるべき姿です。
●次に、『2.他者を思いやること!』です。
自由とはいえ人に迷惑をかけてはいけないが、「何に幸福を感じ、何に迷惑を感じるか」は人それぞれです。(幸福・迷惑の多様性)
“喫煙の自由”の行使者は、非喫煙者への配慮(受動喫煙防止など)が必要です。“おしゃれの自由”の行使者は、他者を不安・不快にさせない配慮(タトゥーお断りや染髪・ピアス禁止の校則は人権侵害か?など)を切望します。
このように「迷惑の基準が違う」から、思いやりが必要です。自由の行使者には、他者の権利・幸福を思いやる責任があると思います。
●そして、『3.自由に責任を持たせること!』です。
全体主義への反省から憲法は“個人主義”に立っています。しかし個人主義と利己主義は似ています。個人主義は「自由・権利・責任」のトリオがそろい、利己主義はこの中で“責任”が欠けています。
自由がない全体主義も、責任がない利己主義も、どちらも暮らしにくい社会です。「自由と責任のある個人主義」について皆さんで考えてほしい。自由・権利と責任は個人主義の両輪だと思います。
●自由や多様化が進むと良いかと問えば、必ずしも良いとは思わない。なぜなら、そこに利己主義が顔を出すからです。自由や多様性が≪迷惑を考えない口実≫になっていると疑っています。
個人主義社会では、判断基準が「みんな」から「自分」へ変わり、“迷惑”も自分基準で考えてしまう。学校・社会で≪自由と責任のある個人主義≫をじっくり話し合ってほしい。
回答
御指摘いただきました、ルールを守ること、他者を思いやること、自由に責任を持たせることは、今の教育現場や社会全体で改めて考えるべき重要な視点であると認識しております。
三条市では、差別やいじめのない明るい公平な社会、責任ある自由が行使されるまちの実現を目指しており、今後も多様性を尊重した人権教育を推進してまいります。
お問合せは
学校教育課 指導担当 電話0256-45-1112
更新日:2025年06月30日