学校の体操着について(令和7年5月19日回答)
御意見
令和6年3月29日回答の、指定体操着に関する返答書について、以下の点を新たに指摘し、意見を申し述べます。
1. 機能性および安全性についての再検討
指定体操着が運動を行う際の機能性や安全性を考慮していることは理解できるものの、市販されているスポーツウェアの品質向上に伴い、指定体操着以外の選択肢が機能的に劣るとは一概には言えません。むしろ、指定品に比べて通気性や伸縮性に優れた製品が市場に多く存在することも事実です。したがって、安全性の観点からも、指定体操着以外の選択肢を検討する余地はあると考えます。
2. 視認性と所属感についての懸念
同じ体操着を着用することで児童生徒の視認性を確保し、所属感や仲間意識を育むとの意見については一定の理解を示します。しかし、学校行事や校外活動においては、学年ごとに異なる色やマークを入れる、名札やワッペンを活用するなどの代替策を講じることで、視認性を確保することも可能ではないでしょうか。特に、防犯面を考慮すれば、児童生徒が学校名入りの体操着を着用することが外部に対して不要な情報を提供するリスクとなる可能性もあります。
3. 体操着の価格と経済的負担
ファストファッションの普及により、指定体操着の価格が相対的に高くなっている点については、学校側も認識しているとのことですが、価格抑制のための具体的な取り組みが示されていません。(昨年の回答以降も値上げがありました。)販売店への働きかけだけではなく、入札制度を導入する、複数のメーカーから選択できるようにするなど、実効性のある方策を検討すべきです。
4. 家庭の選択の自由と多様性の尊重
指定体操着を維持する理由の一つとして、華美なデザインや機能性に欠ける体操着を着用することによる問題が挙げられていますが、一定のルールを設けることで解決可能と考えます。例えば、色や形状に関するガイドラインを定め、その範囲内で各家庭が選択できるようにすることで、画一的な指定を廃止しつつも適正な範囲での統一性を保つことが可能です。
5. 児童生徒間のいじめの懸念について
体操着の違いがいじめにつながる懸念が示されていますが、そもそも児童生徒の多様性を受け入れる教育が求められている現代において、服装の違いがいじめの原因になるのであれば、その根本的な課題は体操着ではなく、いじめを許容しない学校文化の醸成にあるべきです。体操着の統一によって問題を回避するのではなく、個々の価値観の尊重を推進する教育が必要ではないでしょうか。昨年には埼玉県日高市では制服体操服の指定を廃止しています。
以上の点を踏まえ、指定体操着の在り方について再度検討し、児童生徒および保護者の意見を幅広く取り入れた形で改善を進めていただくことを強く要望いたします。
近年、隠れた子どもの養育費も年々上昇しております。
世界的なインフレ、家計費の負担増における時勢もあり、指定体操服の取りやめについては、多くの家庭にとって経済的な負担軽減につながる重要な施策だと考えます。全面廃止は難しくとも、冬場の体操着の自由化だけでもご検討いただきたくご連絡いたしました。何卒宜しくお願い致します。
回答
指定体操着は運動を行う際の機能性、安全性、耐久性が考慮されており、同じ体操着を着用することで、様々な場面で当該校の児童・生徒であることの視認性が確保され、所属意識や仲間意識を育むことにもつながります。
各家庭での自由選択にする場合、華美になったり、機能性に欠けたりする物を使用する例が想定され、その差異を指してのいじめなどの児童生徒間の問題行動につながることも少なからず懸念されます。
以上のことから、現状では指定体操着の着用をお願いしております。
価格については、適正な価格設定に努めておりますが、廉価なジャージやTシャツなどに比べると相対的に指定体操着が高くなっているため、販売価格の抑制について、各学校を通じ、販売店に引き続き働き掛けてまいります。
各家庭の負担を考慮し、保護者に意見を求めるなどしながら、学用品について検討していくよう、学校に対しても指導助言してまいります。
体操着のデザインや機能性について選択する時の基準を示すことや、名札やワッペンを活用して視認性を確保すること、また、体操着を入札や複数のメーカーから選択できるようにするという御提案を踏まえ、今後も検討してまいります。
いじめに対する懸念については、学校の教育活動を通して、児童生徒の多様性を尊重し、互いに理解し合えるよう、今後も学校に指導助言を行ってまいります。
お問合せは
学校教育課 電話0256-45-1112
更新日:2025年05月22日