29 小中一貫教育に関しての問合せについて

御意見

現在中学●年生の長男が●中学に通っております。三条市が進めている小中一貫教育ですが、私は大賛成です。やはり小学校から中学に入る際の中一ギャップ等の様々な問題を解消できる有効な方法は小中一貫教育と思っています。

しかし、現在の●中学、●小学校は校舎が一緒ですが、その一貫教育の有効性や有意性が十分に活用されてないと思います。感じるのは小学校と中学校の教師間の行き来、交流が極端に少ないことです。小学校の算数でこの学年がどの程度習熟度があるか、どの部分が不得意か、国語はどうなのか?英語は?等、それらの情報が学校同士、教員同士共有化されていないと感じています。中学の各教科の指導はほぼ画一的でその学年の特徴、特色を掴んで方向性を探る、という方法はあまり取られていないようです。よく聞くのが、「どうしてこの学年の多くはこの程度の計算が出来ないのか。このレベルの漢字が理解出来ないのか。 アルファベットも書けないのか。」と中学の先生が疑問に感じたり、思ったりすると。

私が言いたいのは、中学校が小学校の学習の習熟度をきちんと把握し、また中学までにどの程度の習熟が必要かを各校指導者レベルで話し合っておけばこのような指導のミスマッチが起きないと思うのです。とくに中学校から小学校へ情報の共有を求めていくという姿勢があまり見られないと感じています。小中一貫教育というと子供達の交流ばかりが学校では注目され、指導者の情報の共有は軽視されている感じです。本来であれば、これら指導者の情報共有こそが一番大事な所ではないかと。結果として校舎は同じでも何も変わらない、というのが現時点での一般的な感覚だと思います。これは市長が狙っていた意図と違う現象が起きているのかもしれません。例えばその学年の風紀が小6の段階で乱れているとか、ある特定の学生が学校に来られなくなっているとか、そういう情報がきっちり中学に上がって、適切なケアがされているだろうか。と感じる事が多いです。

今年度卒業予定の6学年の約1クラス分(約20名?)が同じ建物にある●中学進学を選ばずに、新潟市の私立中学や燕の中高一貫校を選びそうだ、という話をチラホラと聞きます。ただ確証はありませんが。同じ建物の中にあるにも関わらず、なぜ一体校を選ばず、交通の負担が生じかねない地域の学校を選ぼうとするのか。 もしこれが事実だとしたら、きちんと検証の必要はあると思います。その為にはまずは、何人の卒業生のうち、何人がそのまま学区の中学に入学したか、中学校ごとにきちんと把握される必要があります。又ある程度の理由の検証も大事だと思います。確証はないですが先ほど書いたように、多くの親御さん達がそのままエスカレーターで行ける中学を選択しないというのは正直ショックでした。

小中一貫教育は指導者、指導状況の情報交換や一元化、子供たちの交流、場所の変更が無い、中一ギャップの解消など、多岐にあふれうまくかみ合えばこれほど良いものは無いと私は感じています。うまくかみ合うためには小学校と中学校の指導・指導者の交流、情報の共有が不可欠です。それが今一番足りてないように思われます。ハードは整いつつあるので内容面ソフトの構築を急いでほしいです。

又、教科書の採択ですが、各市町村が共同で歩調を取って、教科書を採択するのではなく、三条市が独自で良いと思ったものを採択してほしいと感じています。次回選定の際、出版社の採択される事情、県として出版社とのバランスを考慮した教科書採択よりも三条市の子供達にとって何が良くて、どれが適切かという事を採択の際重視してほしいです。

そして、小中一貫教育でもその独自性、指導力をフルに活用し、迷いの無い教育にして頂きたいと思っております。

回答

御提言のとおり、小中一貫教育では児童・生徒同士の交流のみならず、小・中学校の教職員同士の情報共有や意見交換が非常に重要であると考えており、教職員同士の交流を充実させることが、児童・生徒一人一人の実態に寄り添った指導につながり、中一ギャップを解消するものと強く認識し、教育委員会から様々な機会を通じて、学園内の情報共有や意見交換を積極的に行うように指導しています。

●学園におきましても同様で、学園内での情報共有と意見交換の場として、小中合同研修会、合同ケース会議、小中連絡会議等を定期的に行うこととしています。しかしながら、指導・支援の連携については、まだ改善の余地があると考えており、そのためには、教職員一人一人が、小中一貫校としてあるべき姿をより深く理解することが必要と思っています。そこで、教職員に対して、情報共有や意見交換の意義と目的を改めて徹底し、これまで以上に積極的に交流を進めていくことで、9年間を見通しながら、児童・生徒一人一人の実態に寄り添った教育を行うように指導していきます。

また、小学校卒業生の学園外への進学につきましては、他校への進学者数の把握はしていますが、理由までは把握していません。

同学園の中学校に不安があるなどを理由に、他校を選択せざるを得ない状況をつくることを避けるためにも、今後、検証し、その結果を取組に十分反映させていきたいと思います。

なお、教科書の採択につきましては、当市が独自で行う予定はありません。現行の周辺地域との共同による採択方法には、教科調査員、選定委員、採択協議会委員に、英語教員等も含む当市の関係者が一定数選任されており、当市の現状や思いをしっかりと反映させることができていることに加え、採択地区内の多くの教員等が参画することにより、教科書の内容を綿密に調査研究することができていること、さらには、地区内の教員が共同で教材研究や授業研究を行うことが可能になることなどの利点があると捉えています。

今後とも、専門的な知識をお持ちの方等の意見を積極的に聞きながら、調査研究を通して子どもたちに最適な教科書を選択していきますので、御理解ください。

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更新日:2019年02月20日