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平成29年度施政方針

最終更新日:2017年3月1日

平成29年度施政方針を掲載します。(全体版:PDF 584KB)

はじめに

本日から、来年度各会計予算案をご審議いただくに当たり、私は、来年度の施政方針を明らかにし、議会を始め市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げる次第であります。
昨年、私は、「今、正に、我々は、新たな時代と過去の時代とが交わる汽水域に立っている」と申し上げました。過去に思いを致しながらも、我々自身が進むべき道を選び取っていかなければならない、そういう転換点にあることを意識し、まちづくりにおける種をまいてまいりました。
これまで、三条市を長きにわたって支え続けてきたのは、このまちのアイデンティティである「ものづくり」であります。先人たちがものづくりの技を磨き上げ、時代とともに進化させ、どのような苦難に遭おうとも、この稀有なまでに高い技術力と想像力を持って常に前を向き発展させ続けてきたことで、このまちに人を集め、他産業をも発展させてきました。
その結果、バブルの崩壊やリーマンショックなどを原因とした不況の影響を受け、国内の代表的な金属加工を中心とする中小企業の集積地における製造品出荷額がこの四半世紀の間に大幅に低下している中、燕三条地域においては、これらの逆風に耐え、ほぼ同じ水準を維持し続けております。
他方で、三条ハローワーク管内の有効求人倍率に目を転じると、昨年末の時点で全国平均が1.43倍であるのに対し、それを上回る1.62倍と高い状況にあります。このことは、新たに人材を求めるほど経済活動が堅調であるという証であると同時に、それに対応する人材が不足していることをも意味していると捉えております。人口減少がもたらす影響が既にこうした形で見え始めてきている中、このまま何も策を講じなければ、当市の発展を支えてきた、言わば原動力であるものづくりを基盤とした産業は衰退し、このまちのアイデンティティが失われてしまいかねません。
人口減少社会という新たな局面を迎え、このまちのアイデンティティを将来にわたって守り続け、更なる成長を遂げていくためには、このまちの持つ様々な資源の価値を高め、魅力あふれるまちとして輝き続けていくことが何よりも重要であり、それが当市に人をとどめるとともに、多くの人が集うことにつながるものと考えております。
今年度は、汽水域に立つ我々が、これから進むべき大海原に向け、都市機能の再構築を検討するなど、これからの航海に必要となる装備を整えてまいりました。来年度は、それをベースに具体的な取組に着手する、言わば本格的に大海原に漕ぎ出すタイミングであります。
そのため、行政を担う職員一人一人が、10年後、20年後のこのまちの姿を明確に見据え、少子高齢化、人口減少社会への対応を最重要課題とした総合計画を羅針盤に、その姿を現実のものとしてしっかりと描ききることができるよう、行政のプロフェッショナルとして、それぞれの職位、職種に求められている成果を確実に出し続けることができる組織の構築を進め、「このまちの基礎体力を向上させる」「人を去らせず、来たる人を追い求め、歓迎する」「人口減少社会、少子高齢化社会と共存する道を歩む」この3つの処方箋を柱に積極果敢に取り組んでまいります。

処方箋その1 このまちの基礎体力を向上させる〜ライフステージごとに基礎体力を高め、まちの魅力を向上〜

教育・子育て政策の更なる展開

いつの時代にあっても、将来を担う子どもたちの健やかな成長を支え、自ら未来を切り拓いていくことができる力を育んでいくことは、我々大人の責務であります。
そのため、全国に先駆けて小中一貫教育に取り組み、その成果を確実なものとしていくため、教育センターでの教育研修を始め、小中一貫教育カリキュラムの実践を着実に積み重ねてまいりました。結果として、児童・生徒の学校生活における満足度や社会性の習得度を分析する「ハイパーQU」テストで、他者への配慮や関わり等の社会的スキルが全国平均を上回っているほか、小中一貫教育に係るアンケート結果を見ても、中学校生活に対する心配・不安の軽減につながったと回答する割合が増加するなど、いわゆる中一ギャップの解消にも一定の成果を挙げております。
来年度は、この  小中一貫教育を更に洗練、深化させていくため、 併設型小学校・中学校への移行と併せ、各中学校区内の小中学校を一つの学園と位置付け、小中一貫教育の実施に関する総合調整を担う学園長を任命し、学園としての教育目標の下、地域に根ざした取組を進めてまいります。
また、現在建設中の大崎中学校区小中一体校については、県内初の義務教育学校として平成30年4月の開校を目指し、各般にわたる調整を進めてまいります。
さらに、保護者や地域住民が学校運営に参画するコミュニティ・スクールの導入に向け、大島中学校区の3校、栄中学校区の4校をモデル校に指定し、その成果や課題等を検証してまいります。
子育て支援においては、近年の核家族化や共働き世帯の増加に伴い、仕事と家庭の両立を実現するための環境整備も不可欠です。そこで、年度途中に発生する保育士不足による待機児童対策として、途中入所が見込まれる公立保育所に年度当初から保育士を加配し、その解消を図ってまいります。あわせて、4月に開所を予定している嵐南保育所において、入所ニーズが増加傾向にある3歳未満児の受入増加を図るとともに、保育所と小学校との更なる連携を目的に、裏館小学校隣接地に旭・裏館統合保育所を建設し、多様な保育ニーズに対応してまいります。
また、児童クラブの利用希望を踏まえ、小学校4年生までの児童を通年で受け入れられるよう、栄地域に新たな児童クラブを設置するなど必要な施設整備を行い、放課後における安全な子どもの居場所を確保してまいります。

「ものづくりのまち」の更なる深化

先ほど申し上げたとおり、国内の金属加工を中心とする中小企業の集積地の勢いに陰りが見える中、燕三条地域のものづくりがこれまでと変わらない状況を維持し続けているというのは大変稀有なことであります。さらに、当地域では、既存の工業団地がほぼ完売している状況においても、なお、新たな設備投資や事業拡大に対する意欲が高い企業が多く存在しております。このまちが日本を代表するものづくりのまちとして、生産拠点としての優位性を高め、更に深化していくためにも、迅速な仕入れや出荷を行うために重要な役割を担う流通機能を付加させた、これからの時代に合った新たな工業流通団地の造成が必要不可欠です。そのため、栄スマートインターチェンジに近接するという地理的優位性を活かした工業流通団地について、平成32年度までの分譲開始を目指し、引き続き農用地区域からの除外手続等を進めてまいります。
また、工業流通団地の機能を最大限発揮させるために必要となる国道8号の渋滞緩和に向け、国に対して拡幅事業の推進を要望してまいります。
人口減少が進むことによる国内市場の縮小が想定される中、ものづくりの基盤を維持していくためには、国外に新たな販路を求めていく必要があります。昨年11月、市場視察で訪れた中国内陸部の都市では、単に価格が安い商品ではなく、高付加価値商品の需要が高まっており、高級品を扱う店舗では日本製品の特設ブースが設置され、その中で燕三条製品が紹介されているなど、正に、「燕三条」がブランドとしてのポジションを獲得しつつあると実感したところであります。
こうした国外における需要喚起の可能性を踏まえ、引き続き、ロシア、ベトナム等への販路開拓を進めるとともに、新たに、インターネット販売への参画等により、中国内陸部での販路拡大を図ってまいります。
また、輸出時に発生する輸送コストや事務的な負担を最大限削減するため、燕三条地域の各社の製品を取りまとめて輸出できる体制の整備に取り組むことで、市内企業の海外展開を促進し、国外における燕三条ブランドの確実な定着を図ってまいります。
さらに、燕三条地域で生産される中間財は、その品質の良さを武器に、国外需要を獲得することも可能であると考えております。そのため、日本貿易振興機構と連携し、国際協力機構が実施するODA(政府開発援助)などを通じたインフラ等の大型プラント輸出への参画に向けた取組を進めるほか、燕三条地域と国外の地域が企業群で交流し、効率的に国外での商談成約につなげていく地域間交流支援事業を活用しながら、BtoB取引の促進に向け、新たな国外市場を創出する事業モデルを構築してまいります。
こうした取組を確実に実施していくため、「(仮称)燕三条海外展開戦略会議」を設置し、国外への更なる販路拡大の手法等について検討を深めてまいります。
また、今後市場の拡大が期待される先駆的分野への進出に向け、全天候型自転車の開発において培いつつある技術力を応用した超小型モビリティの開発を支援してまいります。
さらに、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を契機として、当市のものづくりの高い技術力を世界に示すため、パラリンピアンの競技用製品の開発を支援し、技術を活かした新たな市場の開拓を促進してまいります。
また、優れた品質や機能だけではなく、その製品にまつわる独自の世界観を構築するとともに、それが重要視される市場の開拓等を行うコト・ミチ人材との連携やリアル開発ラボにおけるシーズとニーズのマッチングによる新たな製品開発などを引き続き支援してまいります。

健幸都市への更なる挑戦

長寿社会となった現在、誰もが健康で幸せに暮らし続けるためには、意識せずとも健幸になれる仕掛けが必要です。そのため、従来の公民館事業と一線を画す「きっかけの1歩事業」や「ステージえんがわ」での様々なイベント等の実施を通じて、まずは、高齢者の外出を促してまいりました。こうした取組により、参加者は常連客のみという従来の公民館事業の常識を覆し、公民館に足を運んだことのない方の参加や、男性参加者が約3倍に増加するなど、確かな手応えを実感したところであります。
来年度は、より多くの人が出掛け、そこでの交流から新たな活動が創出されていくような好循環を生み出すために必要な仕掛けについて、ハードとソフトの両面から検討を進めてまいります。
まず、ハード面で様々な活動を活発化させるためには、施設機能を有機的かつ効果的に結び付けるという観点から施設機能の集約化・複合化の視点が不可欠です。こうした基本的な考えの下、現在、平成31年12月の供用開始を目指し、体育文化センターと総合体育館の跡地に スポーツ・文化・交流機能を有した複合施設の建設を進めておりますが、これに加え、三条小学校跡地を活用し、 図書館、鍛冶ミュージアム、理科教育センターの機能を有した新たな複合施設の整備に向けた検討を進めてまいります。
また、改めて、この二つの施設が配置される中心市街地を俯瞰してみますと、ステージえんがわや鍛冶道場、中央公民館、歴史民俗産業資料館等も配置されております。
これらの施設機能を有機的に結び付け、多彩な交流を育むエリアとしての面展開に向け、エリアマネジメントに長けた有識者や各施設等の関係者からなる「(仮称)まちなか公共施設連携・整備検討委員会」を設置し、ソフト事業の充実に向けた具体的な検討に着手してまいります。
さらに、外出を容易にするための公共交通の更なる利便性の向上を図るため、昨年、下田地域の高齢者を対象に実施したデマンド交通の乗車割引が受けられる「デマンド交通おでかけパス」の対象を全市の高齢者に広げ、運転免許証の自主返納等の増加にも対応してまいります。

安全・安心な暮らしへの更なる追求

当市に甚大な被害をもたらした7.29豪雨災害の復旧、復興に着手してから6年が経とうとしておりますが、ようやく笠堀ダムの嵩上げや月岡地内における遊水地整備を始めとする県の五十嵐川災害復旧助成事業にもめどが付きつつあります。
市民の皆様の安全・安心をより確実なものとしていくため、引き続き、須頃郷地区内水対策事業や県の新通川・島田川河川改修事業に併せた沿線排水路の整備、裏館第一雨水幹線排水路等の整備を推進するとともに、新たに 興野、嘉坪川及びその周辺における雨水排水路整備に向けた基礎調査に着手し、近年多発する集中豪雨に伴う浸水被害の軽減を図ってまいります。これらのハード整備だけではなく、災害に強いまちづくりのためには、一人一人が防災意識を持ち、災害に備えることが重要です。現在、水害時における避難行動については、自宅の2階等に避難する垂直避難を原則としておりますが、河川の水位情報と浸水想定を連動させた上で、各地域の特性の詳細な分析を行い、必ずしも垂直避難では安全が確保できない堤防の直下などにお住まいの方の避難行動等を、より精緻にサポートするための仕組みを構築してまいります。
昨年9月、県央地域の悲願である県央基幹病院の建設地が須頃地区に決まり、平成35年度早期の開院を目指す基本計画が示されたところです。当市としても1日も早い開院に向けて、県央基幹病院の建設地における農用地区域からの除外手続等を始め、引き続き最大限の協力をしてまいります。
他方、建設地周辺の幹線道路では慢性的な交通渋滞が発生しており、この渋滞の解消が一刻を争う重篤な患者の救命の鍵を握っているとも言えます。そのため、建設地に隣接する下須頃上須頃線の拡幅や国道403号三条北バイパスの整備、(仮称)石上大橋下流橋の建設を始めとするアクセス道路等の整備が必要不可欠であり、引き続き、「県央基幹病院設置に係る道路等環境整備促進期成同盟会」や「国道403号線整備促進期成同盟会」を通じ、国、県に対し早期整備を強く要望してまいります。
さらに、昨年3月の下田地域の医院の閉院を受け、住民の生活基盤である医療体制の維持はもちろんのこと、市外在住者の移住促進などにおいても医療機関の有無は居住地の選択に大きく影響を及ぼす要因でもあることから、 下田地域に新たに診療所を開設したいと考えております。1日も早い開設に向け、引き続き、診療所を運営する医師の確保に努めてまいります。

全ての人々の尊厳の確保

誰もが住み続けたいと実感できるまちづくりには、障がいや疾患の有無などにかかわらず、個々の意思が尊重され、快適な暮らしを送ることができる地域社会の形成が重要です。
そのため、発達障がいや被虐待等、様々な問題で支援が必要な子どもや若者に対する個に応じた継続的かつ総合的な支援を引き続き実施していくとともに、全ての子どもたちが安心して学びに集中できる環境を確保するため、障がいのある児童・生徒の支援を行う人員を増やし、特別支援教育の更なる充実に取り組んでまいります。
また、障がいがあったとしても、自己の能力を発揮しつつ、主体的に日々の生活を営んでいくためには、経済面等における生活基盤の充実が不可欠です。昨年6月、社会福祉法人と共に誘致を進めてきた障がい者等の就労を支援するIT企業が「三条ものづくり学校」において事業を開始し、一般就労に向けた取組がスタートしたところですが、こうした取組を加速させていくため、 障がい者を新たに雇用する企業に対する支援と併せ、地域自立支援協議会に当該IT企業と障がい者を雇用する企業との意見交換の場を設け、雇用等に係る課題を顕在化させ、その解消に努めてまいります。
障がい者支援に向けた取組と同様に、介護が必要になったとしても、生涯にわたり住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができる環境を整える必要があります。そのためには、限られた医療資源を補完できるだけの体制の構築が不可欠です。
そこで、「在宅医療推進センター」を核に、地域包括支援センターを通じて医療、介護、生活支援を一体的に提供するための総合調整を図り、 地域包括ケアシステムの構築に向けた取組を進めてまいります。
あわせて、住民相互の支え合いによる生活支援体制の構築を進めるため、いきいきサロン等の地域住民の通いの場で醸成された顔の見える関係を、住民相互の支え合いにつなげるとともに、通いの場の新規立上げを支援してまいります。

処方箋その2 人を去らせず、来たる人を追い求め、歓迎する〜人口流出を抑制し、人口の復元力を高めることで社会動態を改善〜

若年層の転出抑制

当市における人口減少の流れを決定付けているのは、大学進学等に伴う若年層の顕著な人口流出とその後の人口の復元力の弱さにあります。
その流れを変えていくため、地元就職に結び付く実学系ものづくり大学と看護系高等教育機関の開設に向けた検討を進めてまいりました。その中で、通勤通学の利便性に加え、看護師養成に係る実習先などの教育環境等を考慮した結果、それぞれの校舎の建設地を須頃地区に決定したところであり、来年度は、それぞれの施設設計を始め、開校に向けた具体的な取組を進めてまいります。
実学系ものづくり大学は、工業系大学の多くで行われている学修や研究により知識を得る教育にとどまらず、地元企業と連携した実習や、長期の就業体験などの実践に重きを置く、他に類を見ない大学であることから、既存大学等の誘致ではなく、自ら開設することとしております。そのため、大学運営を担う公立大学法人の設立に向けた検討を進めるとともに、「三条市実学系ものづくり大学開設検討委員会」において取りまとめた単一学科で1学年80人の定員という規模感を念頭に、育成人材像及び教育課程の骨子に基づき、教育カリキュラムの検討などに着手してまいります。
看護系高等教育機関については、平成32年4月の開校を目指し、誘致先として協定を締結する事業者が開学準備に入ることから、医療関係者からなる「三条市看護系高等教育機関の開設に係る懇談会」での意見を踏まえ、市と事業者において、より良い教育環境を提供していくための連携体制づくりを進めてまいります。

若年層の転入促進

若者の転入を促すには、移住後の生活の糧を得るための魅力的な就業の場を創出していくことが非常に重要です。そこで、豊かな自然を始めとするこのまちの資源を活かした新たな就労の場の創設に取り組んでまいりました。
いよいよ秋には、下田地域などの豊富な森林資源を活用した 木質バイオマス発電所が運転を開始します。発電所に燃料を安定的に供給するため、事業者、森林組合、関係機関等と連携し、 林業全体の活性化も見据えた間伐材等の供給体制の構築を進め、新たな雇用の創出につなげてまいります。
また、農業において、これまでの取組に加え、市内の農業者が利益を拡大することで従業員を雇用できる法人への転換を促すため、営業や企画、販売などに係る新たな体制を整備する取組を支援してまいります。
さらに、昨年10月に開講した滞在型職業訓練施設「しただ塾」では、下田地域の自然や観光資源を活かした観光コースを設置し、県外から5人が入塾したところです。より多様なニーズに対応するため、地域の方々を始めとする関係者の協力を得ながら、新たに木質バイオマスコースを設置するとともに、既存の観光コースにアウトドア分野を加えるなどカリキュラムの充実を図ってまいります。
これらの取組と併せて、転入を促進するためには、まずは訪れてもらい、このまちの良さを体感していただくことも重要です。これまで、ものづくりのまちとしてのブランドイメージを高めるため、 「燕三条 工場の祭典」の開催を通じて、ものづくりの世界観を見える化してまいりました。今年度の開催時には、国内外から約3万5千人もの方々が訪れており、ものづくりには、多くの人を引き付ける魅力があると改めて実感したところであります。そこで、 燕三条駅に工場の祭典を紹介するコーナーを常設するとともに、そこに配置するコンシェルジュを育成することで、開催期間以外でも見学可能な工場等に観光客をつなげるなど、1年を通して、ものづくりの魅力を発信できる体制の構築を進め、産業観光による交流人口の拡大を図ってまいります。
さらに、移住を決定するには、生活や就労に関する様々な不安を払拭しなければなりません。そこで、居住体験と併せて市内企業において就労体験ができる「お試し居住」を新たに実施し、移住の促進を図ってまいります。

処方箋その3 人口減少社会、少子高齢化社会と共存する道を歩む〜高度成長期以来の価値観の転換を図ることで「持続可能」という最強の武器をこの手に〜

「高齢者」概念の転換

高齢化が進展する中、まちの活力を維持し続けるためには、これまでの高齢者の概念を転換し、社会の担い手として活躍していただくための環境づくりが求められます。
そこで、「セカンドライフ応援ステーション」を設置し、社会参画意欲の高い方を新たな活躍の場につなげる取組を進め、昨年末までに延べ229件のボランティア活動や働く場へのマッチングを行ってまいりました。
来年度は、先ほど申し上げたとおり、高齢者の外出を促してきたきっかけの1歩事業等において、更なる外出機会の創出を図るとともに、活動意欲の高い参加者においては、単に参加するだけではなく、更に一歩進んで地域社会の担い手という新たなステージで活躍していただくため、参加する楽しみに加え、 提供する楽しみを感じていただけるような環境づくりを進めてまいります。
また、活躍の場を広げるため、清掃などの公共施設の維持管理において試行してきた有償ボランティアについて、市主催イベントの運営補助等を加えるなど、仕事の内容を拡大してまいります。
これらの取組を効果的に展開するため、「シルバー元気プロジェクト」において、地域での活躍の場の創出に向けた検討を行い、セカンドライフ応援ステーションを核に、高齢者の能力や活動意欲が最大限に発揮できる環境を整えてまいります。

「社会インフラ」概念の転換

多くの公共施設が老朽化し、順次その更新等が見込まれる中、その維持管理を始め、今日の市民ニーズや社会的な要請を踏まえた価値の最大化を図っていくことが重要です。
そのため、今年度は、公共施設等総合管理計画を策定し、当市が保有する公共施設等の老朽化に伴う改修や更新等による財政への影響を踏まえ、中長期的視点での施設管理の基本方針を示したところであります。
来年度は、市民生活に欠かすことのできない社会インフラの効率的な維持管理の継続と、その担い手である市内建設業者の安定した仕事量の確保に向け、国道289号と五十嵐川で囲まれた嵐北地区の市街地区域で 「包括的維持管理業務委託」を実施してまいります。
さらに、少子高齢化や人口減少の進行による地域社会構造の変化に対応するため、これからの下水道整備の在り方の指針として策定した汚水処理施設整備構想の実現に向け、引き続き、効率的な施設整備手法や接続率の向上策などの具体的な検討を進めてまいります。
また、大崎中学校移転に伴う跡地については、地元の要望等を十分に勘案しながら、サービスの向上を図る活用方法を検討してまいります。

「一極集中」思考の転換

当市におけるまちづくりの方向性は、これまでも申し上げているとおりそれぞれの地域の魅力を活かした多極分散型社会の堅持であります。
この暮らしの場である極を維持し続けていくためには、それぞれの地域の特徴を活かしつつ、新たな価値を付与することで魅力を向上させていく必要があります。
そこで、中心市街地においては、かつての賑わいを再生するため、三条マルシェの開催やステージえんがわの整備など、言わば、その核となる拠点の創出に力を入れてまいりました。今後は、先ほど申し上げたとおり、二つの複合施設の整備を進めるとともに、これらを含めた中心市街地の各施設を有機的に連携させ、面として展開していくための具体の手法の検討を行うことで、多彩な交流を育むエリアとしての環境整備に取り組んでまいります。
須頃地区においては、新たに進出する県央基幹病院や高等教育機関、商業施設を基軸とした広域的、基幹的な様々な都市機能の集積が期待されます。今後、この地区が担う拠点エリアとしての都市空間形成に必要な用途地域の見直しに着手するとともに、先ほど申し上げたとおり、新たな広域的なアクセス道路等の整備について、国、県に対し早期整備を強く要望してまいります。
栄地域においては、工業流通団地の造成と併せ、新たな住宅団地の造成を行うことで、転入の促進や地域コミュニティの維持も期待されることから、それぞれ平成32年度までの分譲開始を目指した造成を行い、生産拠点エリアとしての価値を更に高めてまいります。
昨年7月、「国道289号八十里越地点開発促進期成同盟会総会」において、国から県央基幹病院の完成時期を意識した八十里越の整備を進めていきたい旨の説明があり、先人たちの積年の思いが結実する最終局面を迎えつつあります。
下田地域においては、八十里越の開通による人の流れ、物の流れの変化の恩恵を最大限享受できるよう、福島県側からの玄関口として更に魅力を高めていく必要があります。そこで、豊かな自然に、洗練されたライフスタイルやくつろぎの時間といった付加価値を付ける取組を継続的に行うことにより、全国的な知名度を高めてまいります。また、それぞれの極が持つ特徴を活かした面展開を効果的かつ効率的に進めていくため、用途地域や道路網の在り方の検討を始め、総合的な環境整備に向けた都市計画の見直しに取り組んでまいります。

平成29年度予算案の概要

当市の今後の財政見通しは、歳入では人口減少による市税の減収や普通交付税の合併算定替の段階的な減額、また歳出では公債費や扶助費等の義務的経費の増加が見込まれるなど、財政運営は厳しくなっていくものと想定しております。
このような財政状況や少子高齢化、人口減少社会に備え、これまで経営戦略プログラムを着実に実施することで財政状況の改善に努め、今後想定される厳しい状況をしっかりと乗り越えることができるだけの財政調整基金残高を確保してまいりました。
平成29年度当初予算の編成に当たっては、経常経費などの歳出予算を抑制しつつ、地方創生推進交付金などの国の財政支援を最大限に活用し、財源確保に努めるとともに、これまで確保してまいりました財政調整基金を計画的に活用しながら、総合計画に掲げた施策を着実に推進するため、大崎中学校区小中一体校建設事業、旭・裏館統合保育所建設事業などの教育・子育て環境の整備のほか、海外販路の拡大によるものづくり産業の振興など、魅力ある持続可能なまちの実現に向けた取組に重点的に予算を配分しました。
その結果、一般会計予算案は、総額を481億2,500万円、対前年度比では20億3,300万円、4.4パーセントの増となりました。
主要な財政指標につきましては、予算の執行状況等を踏まえた決算見込みから算出した場合、経常収支比率は今年度決算見込みと比較して、0.7ポイント高い95.3パーセント、実質公債費比率は、0.4ポイント高い15.1パーセントとなります。
また、財政調整基金は、約23億9,000万円の繰入れを計上しており、今年度末の残高見込額から予算計上額を差し引いた残高は約44億円となります。
国民健康保険事業特別会計予算案は、総額を109億510万円としました。国保財政の運営主体が県へ移行する平成30年度を見据え、平成29年度末の赤字解消に向けた財政健全化に取り組んできた中で、予定どおり赤字を解消するめどが付いたことから、平成29年度の1人当たりの国保税額について、対前年度比で2.0パーセントの引下げを行います。引き続き、生活習慣病の予防に重点を置いた保健事業に取り組むことにより、健康増進に努め、更なる医療費の適正化を進めてまいります。
後期高齢者医療特別会計予算案は、総額を9億4,710万円とし、本制度の適正な運営を図るため、広域連合と連携し、健診事業の充実等に努めてまいります。
介護保険事業特別会計予算案は、総額を94億7,630万円とし、高齢者がいつまでも健康で安心して暮らせるよう、適正な介護サービスの提供や介護予防、地域支援事業の充実に努めてまいります。
農業集落排水事業特別会計予算案は、総額を8億960万円、公共下水道事業特別会計予算案は、総額を30億8,300万円とし、今後の利用状況を踏まえ、適切な施設の維持管理に努めてまいります。
水道事業会計予算案は、収益的支出を20億3,390万6千円、資本的支出を8億7,550万8千円とし、計画的な設備の更新を進めながら良質な水道水の安定供給と経営の効率化に努めてまいります。
次に、これまで申し上げてきたもののほか、来年度の主な事業について説明を申し上げます。

総務・文教関連施策

まず、総務・文教関連施策であります。
市民の皆様と協働で市政を運営していくためには、行政課題の共有が不可欠であることから、巡回型「ふれあいトーク」を、より多くの方から、親しみを持って、気軽にご参加いただけるよう内容を工夫し、装いを新たに各地域で開催してまいります。
今後、更に重要となる経済圏、生活圏の広域化への対応については、新潟市と「連携中枢都市圏の形成に係る連携協約」を締結し、産業、観光等様々な分野で連携することにより、地域経済の維持や安心・快適な暮らしの実現など、将来にわたり住み続けたいと思われる魅力的なまちの形成を進めてまいります。
また、これまで燕市、田上町及び弥彦村と公の施設の相互利用を行ってまいりましたが、新たに長岡市及び見附市と協定を締結し、市民が生涯学習やスポーツに利用できる施設の拡大を図ってまいります。

防災対策については、災害に対する備えを日々の生活の中に着実に浸透させていくとともに、次代を担う子どもたちの防災意識を育んでいくため、水害対応総合防災訓練時の地域の防災訓練等に中学生ボランティアが参加する取組をモデル地区において実施してまいります。
あわせて、震災時の水利を確保するため、耐震型防火水槽の設置を計画的に進めるとともに、来年度当市で開催される新潟県消防大会を契機として、消防団の更なる技術の向上を図り、地域防災力の強化に努めてまいります。
教育・子育て環境の充実については、さんじょう一番星育成事業に係る意向調査結果に基づき、「学びのマルシェ」において、子どもたちの基礎学力の定着を図るステップアップ教室とプラスワン教室の会場や対象学年を拡充してまいります。
また、近年、子どもたちの生活習慣の乱れが、学習意欲や体力、気力低下の要因の一つとして指摘されております。そのため、生活リズムを形成する上での基本となる睡眠の重要性に着目した「眠育」の普及に向け、市民の皆様等を対象とした講演会や小中学校、保育所等の関係者を対象とした研修を実施してまいります。
さらに、市の子育て関係の手続に係る負担軽減を図るため、マイナンバーカードを活用したインターネットによるオンラインサービスを7月以降、順次開始してまいります。

市民・福祉関連施策

次に、市民・福祉関連施策についてであります。
芸術文化の振興については、当市の名誉市民である写真家の渡邉義雄先生の生誕記念事業を開催し、その功績を後世に伝えてまいります。
さらに、県央地域では、初めての開催となる将棋界最高位のタイトル戦「竜王戦」を招致するとともに、関連イベントの開催を通じて文化・交流活動の活発化を図ってまいります。
また、文化庁の「歴史の道百選」に選定されている八十里越について、歴史の道として国指定史跡の指定を目指し、本格的な調査を進めてまいります。
多様なコミュニティの形成については、地域おこし協力隊が主体となり、まちなかにおいては地域のニーズに基づく様々な活動を通じて新たなテーマ型コミュニティの創出を図っていくほか、下田地域においてはスポーツや芸術、農業分野に長けた隊員を増員した上で、地域資源を活かした取組を地域の皆様と共に展開していきながら、地縁型コミュニティの維持・存続に努めてまいります。
空家対策については、今年度実施した空家実態調査の結果を活用し、空家の利活用の促進を図るとともに、適切な管理が行われていない空家の所有者等に対して適宜適切に指導、助言を行ってまいります。
新最終処分場の建設については、引き続き、地域の方々のご理解をいただきながら、用地の取得及び取付道路や搬入道路の整備に着手するとともに、現在策定中の実施設計に基づき、平成32年度の供用開始に向けて着実に整備を進めてまいります。
交通対策については、今年度開催した「東三条駅周辺交通対策会議」での議論を踏まえ、長崎屋跡地に多目的に活用できる交流スペースを併せ持った駐車場、駐輪場を整備し、交通結節点としての機能向上を図ってまいります。
健康づくりについては、生活習慣病予防として、市内スーパー等の協力を得ながら、減塩を意識していない方でも自然とその効果を享受できるような環境づくりを進めていくとともに、人工透析導入原因の第1位である糖尿病性腎症の重症化を予防するため、三条市医師会と連携し、個に応じた総合的かつ継続的な保健指導を実施してまいります。
高齢者福祉については、地域の実情に即した介護保険事業等を効果的に推進していくため、新潟大学の協力の下、「介護予防・日常生活圏域ニーズ調査」を通じて生活習慣と疾病との相関等を分析し、これまで実施してきた事業効果を検証した上で、「高齢者福祉計画・第7期介護保険事業計画」を策定してまいります。
さらに、高齢化の進展に伴う認知症高齢者の増加に対応していくため、専門医・専門職で構成する「認知症初期集中支援チーム」を新設し、認知症ケアに重要な初期段階での支援を包括的・集中的に行ってまいります。

経済・建設関連施策

最後に、経済・建設関連施策についてであります。
産業振興については、東京大学ものづくり経営研究センターと連携し、「燕三条ものづくりマネジメント講座」を実施することにより、ものづくりの現場における良い設計、良い流れの構築に向けた改善ノウハウの習得を支援してまいります。
また、鍛冶や木工などの技術を継承する人材を育成するため、引き続き、新規鍛冶人材育成事業及び地場産業技術継承事業に取り組むとともに、鍛冶業界の更なる発展に向け、「日本鍛冶学会」において、様々な課題解決に必要な取組を検討してまいります。
シティセールスについては、「2020年東京オリンピック・パラリンピックを活用した地域活性化推進首長連合」で実施する「旅する新虎マーケット」事業などへの参画を通じて、当市の魅力を国内外に向けて発信し、交流人口の拡大を図ってまいります。
あわせて、都内で駐日外交団を対象に外務省が開催する「地域の魅力発信セミナー」への参加を通じて、戦略的にインバウンドを推進してまいります。
農業分野においては、生産に特化したこれまでの農業経営からの脱却を図り、持続可能で自立的な経営への転換を図るため、それに必要な経営ノウハウ等を持つ先進農業者への派遣等を通じ、産業として成り立つ農業経営体を育成してまいります。
また、農繁期の人手不足を補うとともに、多様な担い手を確保するため、引き続き、農業ボランティア・農業里親事業に取り組んでまいります。
市道の整備については、引き続き、矢田中曽根新田線を始めとする幹線道路のほか、支所土場線などの通学路の歩道整備を着実に推進してまいります。
また、既存施設の長寿命化を図るため、幹線市道の補修・修繕や雨水ポンプ場、下水処理センターの設備更新など、計画的な予防保全に取り組んでまいります。
あわせて、これらの施設を始めとした社会インフラの維持管理や災害対応等において重要な役割を担う地元建設業の技術者の育成に向け、引き続き、特殊機械の運転等に必要な資格取得を支援してまいります。

おわりに

昨年、新たに当市の名誉市民となったジャイアント馬場さんは、「人生は、チャレンジだ。チャンスは掴め。」と常に語っておられました。
このまちを形作ってきた多くの先人同様、チャレンジ精神で人生を切り拓き、挫折を乗り越え、不屈の闘志で大輪の花を咲かせた氏の功績を顕彰するとともに、意志をしっかりと受け継ぎ、三条市の未来に向けて積極果敢に市政を展開してまいりたいと考えております。
何とぞ議会の皆様のご理解とご協力をいただき、ご決定を賜りますようお願い申し上げます。

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